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ルビーの乱舞 [海外]

CA396977.JPG

ずっと書きかけのまま下書きに保存されていたけれど、アップされなかった記事があるのでアップしときます。



これは、オーストラリアで謎の大物にラインを切られた後の話である。

釣れそうな気配を肌で感じていた私は、蚊やサンドフライに悩まされながらも夜まで粘ることにした。


オーストラリアの夜はとにかく暗い。

町は自然の中を少しくりぬいて形成されているだけなので、ほぼ自然そのまんまだから仕方あるまい。

当然海沿いに外灯などなく、人工的な光は遥か先の海に浮かぶブイの光だけだった。

そして、夜空の星は宝石箱をひっくり返したように美しい。



海は干潮からの上げ潮で、最初は大分下に位置していた海水面も、満潮に近づいて、時折大きな波がくると、しぶきがかかるほど近づいてきた。

真っ暗な異国で、だんだん近づいてくる海はなかなか怖い。夜になるとカニ達の代わりにフナムシやゴキブリが活動しだし、私が捨てたイワシの頭にぞろぞろ群がりだすから、なお私は恐怖した。


しかしそこは釣り人である。

不安な気持ちは傍らにおいて、私はヘッドライトで竿先を照らしアタリがないか観察していた。

ヘッドライトの光は、暗闇の中で一筋の光となって、はっきりと分かるほどであった。

日本では感じることのないその光に、このヘッドライトはこんなに明るかったのかと驚かされる。




オーストラリアのポートダグラスでの釣りに関する記事をネットで調べていた時にこんな記述がありました。

「大潮の前後五日間程度で、日の出、もしくは日の入りからの数時間が干潮からの数時間と重なった時、そして波は緩やかで水の濁りはやや濁りの時、カキがびっしりついたような大きな岩がごろごろした岩場では、岸近くまで小魚が接岸し、それを追って大型のバラマンディが岸近くまで寄ってくる」



偶然にもその日は、この全ての条件に合致した日でした。いつも荒れていた波は穏やかで、初めて小魚も視認できた。

実際餌のいわしは何かの魚に食いちぎられまくっていた。





しかし、竿先に当たりは現れなかった。



相変わらず暗い夜の帳の中で、ヘッドライトの光筋がまっすぐに竿先を照らしていた。

しかし私は時折さお先から視点をそらし、海水面を照らした。



これは一重に恐怖から生まれる行動である。

暗闇の中、満潮に近づくにつれ近づいてくる水面から、何かが飛び出してくるのではないかと私は怖かった。

そう、ここはワニの中で最も凶暴なイリエワニの生息地域なのだ・・・・。




そんな時、岩場に見える光の反射とは、異質な反射が目に入った。

岩に打ちつける波の狭間で、赤いルビーが、乱舞していたのだ。



素早く動き回る赤いルビーは、岩の隙間を攻めては、次の岩の隙間に移るを繰り返し、左から右に移動していった。


私の存在など一切意に関していないようだった。



赤いルビーが、魚の目であると気づくのに時間はかからなかった。

赤目=バラマンディの方程式から、6、7匹のバラマンディの群れであると思ったけれど、今となっては何の魚かは分からない。

ターポンや他の魚だって夜見たら目は赤く輝くかもしれない。



しかしそんなことはどうでも良かった。


時間にして4秒。

ただあまりに美しい光景でした。




9時過ぎのまだ早い時間だったけど、その日はそれに満足して私はテントに戻った。

魚が釣れなくても満足できたのは初めてかもしれない。




結局それ以後コンディションに恵まれず、その日が唯一のグットコンディションな日で、私は紙一重のワンチャンスを逃したわけである。



しかし、釣れても釣れなくても釣りは楽しい


そう思えた貴重な一日でしたとさ。


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コメント 3

tokuhain

鼻をつままれても分からないくらいの漆黒の闇、満点の星空、壮大な天の川、北海道支笏湖畔で味わいました。
伊豆半島の磯での夜釣りでも、やはり満点の星、夜光虫の群れ、でもルビーの乱舞はなかったなぁ。
ネイティブ・ルビー、釣ってみたい。
by tokuhain (2010-03-12 23:42) 

soldier-S

星空の下というロケーションは最高ですねぇ。
私も夜光虫はぜひ見てみたいです!釣りをしてなくても癒されるでしょうね~。

そういえば日本のルビーに関しては、去年NHKがアカメの巣の場所が特定できる形で放映してしまって、話題になってました。 まあ場所がわかっても釣れないから、アカメなんでしょうけど。
by soldier-S (2010-03-13 15:40) 

toto

闇に光るルビーがイリエワニでなくて良かったですね
by toto (2010-03-18 14:19) 

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